この前雇ったメイドの行動がおかしいのです(イベント)

王室広報官のRiccioです。

今回はトリンシックのサリシアさんからの依頼で、メイドの正体を暴くのを手伝って欲しいとのことです。

 

お手伝いいただける方は、ブリテイン広場にお集まりください。


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◆開催日時:3月23(土)    22時30分 
◆集合場所:ブリテイン広場***********************************************************************************
注意事項:
◆ 予期せぬ出来事が発生するかも知れません!貴重品はなるべく持ち込まないよう、お願いします。
◆ 以下に該当の場合、あるいはEMが問題ありと判断した場合はコールのうえ、イベント中止の措置を取らせていただく場合があります。
 - イベント進行の妨害、かく乱行為。
 - EM、あるいはほかのプレーヤーに対する侮辱的発言、またはそれに準ずる行為。
◆ 皆さんのイベントです。マナーを守って楽しく参加しましょう!

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プロローグ

ここはトリンシックのとある貴族のお屋敷

 

当主の長男リックは、同じ貴族の令嬢サリシアと婚約した。

そして結婚までの数ヵ月、お屋敷で同棲することにした。

 

リックとサリシアは幼馴染ということもあり、幸せな日々を過ごしていた。

そんなある日、当主の命により、イザベラというメイドを雇うことになった。

リックとサリシアの生活に変化が生じ始めたのは、その頃からである。


お屋敷で調度品が無くなることが増えてきたのだ。

最初は新しく雇ったイザベラが怪しいということになったが、いつしか

サリシアが犯人ではないかという噂が立つようになった。


最初はサリシアのことを大切にしてくれたリックも、最近はイザベラの肩を持つようになっている。


そんなある日、リックがサリシアに対して、他のメイド達がいる前で

 

「サリシア、イザベラに対する嫌がらせをやめることだ」

 

続ける場合は婚約を破棄すると言ってきた。

サリシアはリックが何を言っているのか理解できなかった。

 

(私は何もしていないのに何故?)

 

婚約を破棄されると困るサリシアは、お屋敷内での行動を慎むことにした。


しかし、これを境にお屋敷内でサリシアの立場が更に危ういものになり始めた。

サリシアは、リックと同じ部屋で寝泊りしていたが、今は使用人の部屋を使っている。

 

逆にイザベラは、リック専属のメイドになり、ほぼ彼と共に行動するようになった。

立場が逆転したと言ってもいいだろう。

 

当主もこの件に関してはだんまりを決め込んでいる。

お屋敷内にサリシアの味方は1人もいない。


それから一週間が経過した日の夜、精神的に追い詰められ眠れないサリシアは気分転換に外の空気でも吸おうと庭へ行くことにした。

 

今夜は満月ため、窓から差し込む月明かりだけで廊下は十分な視界が確保されている。


そして廊下を進むと、眼前にイザベラの後ろ姿が現れた。

 

(こんな時間に何をしているのかしら?)

 

気になって跡をつけてみると、宝物庫へ入っていったのである。

そこはメイドには関係のない場所で、カギが無いと入れない部屋でもあった。

そこを開錠した音もなく、扉を開けて入っていったのだ。


「前に部屋に入った人が鍵をかけ忘れていたのかしら・・・」


そんなことは考えられないと思いつつ、サリシアも部屋に入った。

そして目にしたのは驚きの光景であった。

イザベラの腕が淡く光、人では無いものの形となって、銀製の食器に触れていたのだ。

それは、イザベラがテーブルに置いたローソクや月明かりとは違う感じの光であった。

 

「遅くまでご苦労ね、イザベラ」

「・・・っ」

 

声をかける直前に腕は元に戻っており、銀製の食器を手に持つイザベラ

 

「これは、サリシア様。私に何かご用でも?」

 

イザベラ冷静にサリシアに問いかけた。

 

「それは・・・、たまたま、あなたを見かけので、、、」

「私のことを疑ってらっしゃるのですね。サリシア様こそ、このようなお時間に何を?」

 

イザベラは疑いの視線をサリシアに向けてくる。

 

「サリシア様。最近お屋敷で調度品がなくなる事件が多くなております。私はリック様に命じられて巡回をしているのです」

 

普通は執事に命じるようなことだ。メイドに命じるのは考えにくい。

 

「そうだったのね。遅くまで大変そうなので声をかけただけですわ」

 

腕のことを聞こうと思ったが、今はそのタイミングではないと思いやめておくことにした。

 

しかし、あの腕は幻覚とは思えない。

どうしても気になるサリシアは、その後もイザベラの行動を観察することにした。


万一、人でないとしたら大変なことになる。

 

しかし、リックはとても現実的な方で、しっかりと証拠を示さないと信じてくれない。

それは、婚約者であってもだ。

具体的な証拠を掴む必要がある。

 

それから数日後の夜。

 

また、イザベラが怪しい動きをしていたので、跡をつけてみる。

再び宝物庫に入ったイザベラは、金製の小さな皿をエプロンのポケットに入れたのだ。


これは、決定的な瞬間である。


しかし、サリシアはもう少し様子を見ることにした。

皿が傷つかないようにポケットに入れた可能性もあるためだ。


結局、イザベラは金製の皿3枚をポケットに入れ、お屋敷の入口へ向かった。

ちなみに、今回は腕が変形したり光ることはなかった。

 

(イザベラの腕があんなことになっていたのは私の見間違いだったのかしら・・・)

 

単に屋敷の物品を盗んでいるだけ?

それでも、お屋敷に対しての重大な裏切り行為である。

 

(このチャンスを逃してはいけない・・・)


サリシアはイザベラの前に姿をだし言葉を発した。

 

「イザベラ、ポケットにいれた皿をだしなさい!」

 

意外にもイザベラは不適な笑みを見せ、堂々とサリシアに視線を向ける。

普通なら、驚くはずなのに、その不気味な表情にサリシアは違和感を覚えた。

そして、イザベラは素直にポケットから皿をだしてサリシアに渡すと。


「そろそろ時間かしらね・・・?」


イザベラが発言したと同時にお屋敷入口の扉が開いた。


「リック様、犯人をみつけました!」


サリシアは、イザベラの言葉に耳を疑ったと同時に、嵌められたことに気づいた。

しかも、子供が考えるような稚拙な罠に。


「サリシア、やはりお前が犯人だったか」


扉から姿を出したのはリックであった。

その表情は怒りに満ちている。


「サリシア、お前との婚約は破棄する。泥棒は屋敷から出ていけ!」


「リック様、違います!イザベラが持ち出そうとしたものを私が発見したのです」


サリシアは事情を説明したが聞き入れてもらえず、結局お屋敷を追放されることになった。


(このままではリック様が危ない・・・)


サリシアは、今まで見てきたことをヒントにイザベラの正体について調べることにした。


そして出た結論は、魔女。


サリシアは冒険者に助けを求めるため、ブリテインの広報官を訪ねることにした。