子供のおやつを奪う化け猫を捕らえよう(イベント)

王室広報官のRiccioです。

今回はブリテインの街に彗星のごとく現れた生物(通称 化け猫)捕獲の依頼です。

 

数ヵ月前より目撃情報があるのですが、最近子供のおやつや商店の売り物を持ち去ったりするなど、市民生活に影響を及ぼしています。

 

関係機関で協議した結果、わなを仕掛け捕獲することになりました。

 

冒険者の皆様に捕獲の手伝いをお願いします。


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◆開催日時:7月31(水)    22時00分 
◆集合場所:ブリテイン広場***********************************************************************************
注意事項:
◆ 予期せぬ出来事が発生するかも知れません!貴重品はなるべく持ち込まないよう、お願いします。
◆ 以下に該当の場合、あるいはEMが問題ありと判断した場合はコールのうえ、イベント中止の措置を取らせていただく場合があります。
 - イベント進行の妨害、かく乱行為。
 - EM、あるいはほかのプレーヤーに対する侮辱的発言、またはそれに準ずる行為。
◆ 皆さんのイベントです。マナーを守って楽しく参加しましょう!

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プロローグ

ここはブラックソン城にある王室広報官室。

 

広報官のリシオは悩んでいた。

ブリテインで謎の生物(通称化け猫)の目撃情報が増加している。

 

最初は目撃だけだったが、最近は子供のおやつや装備品、お店の商品を奪われたという被害報告も寄せられるようになった。

 

(なんで、広報が化け猫の対応をしなきゃならないんだ?)

 

モンスターに関しては冒険者ギルド、犯罪に関してはガードが対応と決まっている。

ところが、理由は不明だが広報室へ持ち込まれるケースが最近増えている。

 

(化け猫なんてどう対応すりゃいいんだぁ?)

 

悩んでも仕方ないので、リシオは室長に相談してみることにした。

 

「室長、ちょっといいですか?」

「何だニャ?」

 

ネコ・マタコ室長は、勤務中なのに最近沼っている魚形クッキーを食べていた。

とても幸せそうだ。

ちなみに、クッキーはグッドイーツの新商品である。

 

「化け猫の目撃情報に加え、被害報告が最近増えてきています。これってうちが調査しないといけませんか?」

 

パン屋のサキちゃんが全力を出しても捕まえることができない謎の生物。

目が赤く光ると急に速度が増したり、光線を放つこともあるそうで

市民の間で化け猫と呼ばれるようになっている。

 

情報からすると、モンスターの類だと思われる。

 

「ニャ!?」

 

ご機嫌でクッキーを食べていた室長だが、リシオが化け猫と言ったとたんに硬直。

刹那の後、室長はぎこちなく口を開く。

 

「みゃ、みゃーは関係ないニャ。そんなの知らないニャ」

 

目も泳いでいるし明らかに怪しい。


(あ、この反応、絶対に何か知っているなぁ。ちょっと問い詰めてみるか)


リシオは机を強めに叩き室長に質問をする。


「室長、正直に答えてください!何か知ってますよね?絶対知ってますよね?」

「わ、分かったニャ・・・」

 

観念した室長は事情を話し始めた。

ことの発端は趣味で始めた錬金術

 

元々細工の技を極めていた室長は、掃除や洗濯・家事などをこなす、万能な機械ネコ人形を作り上げた。

 

駆動部の動力源は錬金術を用いたモノらしい。

ところが人形は高性能過ぎたようだ。

 

勝手に学習して、

進化して、

暴走して、制御不能に。

 

そして人形は逃げ出した。

 

「アンタなにやってんだよ!」

「自ら学習するとは思わなかったニャ、みゃーの手に負えなくなって逃げ出したニャ」

 

「パン屋のサキちゃんが捕えられないって異常ですよ。上に報告して正式にガードに討伐してもらいましょう」

「そ、それだけは勘弁して欲しいニャ」と懇願してくる室長。

 

ブリテインを騒がせている化けネコ騒動の発端は室長であった。

 

「それじゃ冒険者のみなさんに依頼を出して解決しますか?」

「それでお願いするニャ」

 

リシオが依頼を出すために広報室の出入口に向かったその刹那。

唐突に扉が開かれた。

 

「今日はクリドラ100匹出してやったぜ。あいつらも慣れて来やがったから、なめられね~ように次回は1000匹だしてやろうと思ってるんだ。ふぅ~、今日もいい汗かいてきたぜ、リシオ!」

 

現れたのはドヤ顔のマーキュべ先輩であった。

1000匹も出したら、世界がブラックアウトするだろう。

 

「アンタいつもどこで何やってるの?それ仕事と関係ないですよね?」

「細かいこと気にしてたら広報は勤まらねーぞ」

 

鍛冶を愛し、クリドラを操るテイマー鍛冶師の先輩だが、広報の仕事をしているところを一度も見たことがない。

 

この人は何者なのだろうか?

大胆な行動からすると貴族か王族??リシオの悩みが増えるばかり。

 

「で、何を悩んでるんだ?それと室長の顔が奇天烈なんだが」

「実は室長が、趣味で始めた錬金術で・・・」

 

リシオは現状を先輩に話した。

 

「そりゃリシオ、冒険者に依頼しかないだろ」

「ですよね・・・」

 

広報室は関係機関と協議の上、冒険者に助けを求めることにした。

もちろん、室長が原因でることを伏せて。